今日はずっと、外にいた。
大切な感情を見つけて、見つめて、殻にこもる、汗をかいた、間違いを間違いと認めた、ちゃんと、お礼が言えた。
殻にこもる。
なんでもない、生活を数えてるとき、たのしくも苦しくもなかった、がんばり方も思い出せなくなって、ひとりでいるのにひとりになれなくて。
手を繋ぐ。それは記憶でしたか。
晴れて、夏が過ぎていくイメージ、去年や一昨年のことを思い出した、急いで、目をつむる。
裸のままのじぶんが、ぼんやりと、ずっと悲しそうにしていたのは、別にだれのせいでもなかった、ぼくのせいでも、なかったんだし。
信じるとか疑うとか、どうだってよかった。ただ本当のことが知りたかっただけです。
感受性なんか、いらないよ。
ぼくに羽がはえたこと。何度も何度もさなぎになって、そのあと何度も何度も、蝶々になる。
夢を見つけて、見つめて、明日にはひとりで生きてゆけますように、と祈る。祈るだけの静かな愛だったっけ。
ぼくに羽がはえたこと。
命が、まだやわらかくて、溶けそうだ。
もうここにはいないぼくを、ながめる、息をする。
時々ふりかえって、わざとらしく、涙をながしてみる。
ぼくはわたし。
文:山本こう太
絵:kaori