そういえばもう外が強く光っていて、これは夏だな、って思えるようにもなってきたので、ぼくも、夏になろうと必死です。
最近、朝起きてまずいちばんに、歯を磨いています、それからその後に、きんきんに冷やしたアイスコーヒーを飲む。朝をていねいに暮らそうとしているのです。
できるだけコンパクトに暮らしたいな、と、要らないものと絶対に要るものを切り分けて、じぶんの心も切り分けて。そういうことにはいちいち気を遣うのに、のび続けている髪のことはあんまり気にならない。
でも、気にならないって書いたらなんか、気にもなってきた、みたいな感じ。そういうこと。
たまに思い出したように、豆を挽いて、ゆっくりとドリップ、熱々のコーヒーを飲んだりもするのですが、ほんっと、たまに。でもこの、たまに、がたまらなく良い。
心にも時間にもゆとりがあるとき、そんなときに、淹れるコーヒーが、ホッとするから好き。作ろうと思えば作ることもできるゆとりですが、ふいにぽっこりと生まれたゆとりのほうが、なんか、ゆとりっぽいでしょ。
だから、たまーに、でいいんだよ。それでいいんだよ。
ホッとする。
毎日はあいかわらず、ゆれているけれど、なんか、ホッとする。
夏がきたなあ。なにもかもが、綺麗に映える季節。
文:山本こう太 絵:kaori