ケーキ食べてるときなんか、あきらかにしあわせだよ。
しあわせってなんだと思いますか、って訊かれたら、考える間もなくぼくは、ケーキ☆って答えます。
ケーキはしあわせ、しあわせはケーキです。
なにもないこと、平凡な日々がしあわせっていうひとも実はたくさんいて、ふむふむ、とは思う一方でやっぱり、うーん、なにもないのはつまらないし平凡は退屈だ、って思ってしまう自分がちゃんといます。
たしかに、なにか良くないことが起こってしまったり、平凡だった日々が突然くずれてしまったり、ずっとあたりまえのようにそばにあったものを失ってはじめて、振り返って、ああ、あれはしあわせだったんだ、と気付くものなのかもしれないなあ。
だからぼくは、ケーキがすき。だいすき。いますぐにここで、しあわせって言えるからです。
深く考えなくてもいいし、むずかしいことなんてひとつもない。
甘くてふわふわでかわいいケーキは、見るからにしあわせいっぱいの食べ物で、それを目の前にぼくは、ばかみたいにしあわせだ。
ちなみに、あまあまのケーキにはビターなブラックコーヒーを合わせる、と見せかけて、ミルクたっぷり砂糖たっぷりのあまあまコーヒーをぶつけます。
それがほんとのしあわせ☆
文:山本こう太 絵:kaori