コーヒーをじぶんで淹れて飲むようになってから、まるまる2年くらいの時が過ぎたと思います。
かれこれ、いろーんな種類のコーヒーを口にした。
マスターからいただいたたくさんのコーヒー豆、いろんなお店で買ってみたものや、喫茶店で飲んでみたものなど、とにかくいろーんな種類のコーヒーに出会いました。
知らなかった世界がこんなにも広がっていたことに、実際に触れることができて、じぶんの視野みたいなものもずいぶん、広がった気がする。見晴らしが、良くなった気がします。
あんなコーヒーや、こんなコーヒーに出会ってみて、出会いまくってみて、いまぼくはまさに、さあこれからどうする?という分岐点に立てたような、そんな気持ちになれました。
広い世界をこのままうろうろとしているよりかはやっぱり、なにかに向かっていたいし、その奥にある景色が見てみたくなった。
で、ぼくは気が付きました。ぼくはやっぱり、マスターからいただくコーヒー豆がいちばん好きです。
結局、どこで手に入れるコーヒーもだいたい美味しかったので、美味しさ以外に、やさしさや、あたたかさみたいなものが加味されている、ということがどれだけ素晴らしいことか、を思い知りました。
マスターの、コーヒーに対する愛を、ぼくは感じやすい距離にいるし、また、ぼくへの愛みたいなものもとても、感じることができて、手作りのものって、こんなにあったかくて落ち着くんだなあって、感動しました。
味覚とか知識とか、そういうものを突き詰めていくことよりも、ぼくは、ひとの感情やら、愛やらを大切に、という道を進みたい、って強く思いました。
この道の先にどんな景色が待っているのかは、まったくわからないけれど、すごく、わくわくするなあ。
これからは胸を張って、マスターのコーヒーがいちばん好き!って言います。
いろんな世界を経験したからこそ見つけられた、この、好き。
重みのある言葉となって、みんなに届くといいな。
文:山本こう太 絵:kaori